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「笑う朗読」を観て

朗読に対する考え方変わりました。
というと大げさだろうか。

まず朗読というと、普通の演劇より体を動かさず、聞き手のイメージに多くを委ねる高尚な芸術。
読まれる作品も文学作品っぽいものが多く、よい話が多い傾向にあると思う。
こんなイメージ。

余計なものがあると聞き手としては邪魔になってしまう。
だから僕は朗読というのは中途半端に感情を込めず、サラッと、耳ざわりの良い声で読むのが良いと思って「いた」。

ところが今回観させて頂いた『水島裕プロデュース公演Vol.4 朗読劇「笑う朗読」』 は!
良すぎる声や特徴ありすぎる声の出演者ばかり!
前説はハロウィーン衣装でのマジック(^^)/ (しかも水島裕氏がお客さんの案内をしているという)
これはもう、席に着いた瞬間から「朗読」じゃなかった。

5つあった演目も本当に全部笑えるもので、これまた「朗読」っぽくない。
ただ、なかには泣けるシーンもあって、涙腺のゆるい僕はすぐに涙の発射準備をするのだが、
途端に笑いをぶち込まれ、不発のような暴発のような涙を笑いながら流すことになってしまった。
泣きそうで泣けないハードなSM気分でした。


(ここまで書いて、この記事すごく長くなりそうな予感しかしないけど、どうせ誰も読まないから良いかな…!)

さてこの「笑う朗読」。
お芝居の中で役者さんたちが動く。
つまり、体を使った演技もするのだ。

実はたまたま、ついこの間体を使った演技をする朗読を観たのですが。(仮に朗読Aとします)
これは面白くなかった。
でも「笑う朗読」は面白かった。
同じ朗読というくくりで、台本を持ったまま演じ、随所に体での演技を入れている。
この差って何ですか?

もちろん色々あると思います。
役者の実力も、朗読Aと笑う朗読では違いました。
パスや決めの精度が段違いだし、声も良いし。そんなことは分かり切ってる。

僕としては一番のポイントはマイクスタンド、だと思います。
このマイクスダンドが巧妙で、まず置いてあるだけで目の情報量が少なくなる。
ここを見れば良いんだ。マイクのあるところでしか演技は行われないんだ。という安心。
客の視線の的を絞ることで、集中力が増し、演者の細かい表情を見落とさなくなる。
演者としても、余計な動きをしにくくなる。

しかもマイクスタンドの位置取りで距離を分かりやすく演出していた。
演劇で心の声を表現するとなると、モノローグを喋る時だけ移動したり、体の向きを変えたり、ストップモーション、光の当て方…
など色々ある。
ただ朗読でやると中途半端になってしまう。
元々の役者達の距離が近かったら尚更だ。
それを舞台上にうまく配置されたマイクスタンドが解消していた。
もう本当に、分かりやすかったのだ。

あともう一つ、これは本当に単純なことで
マイクスタンドなしで動きのある朗読をすると、台本が離せない集団にしか見えない…
自分達で朗読だっつってんのに、「私本は全部覚えてますから!」と言わんばかりに台本に目を向けなかったり本閉じてたり。
多分そういう演者こそ朗読を軽視しているんだと思う(;´∀`)
あぁ、朗読Aのアンケートの時にはさすがに書けなかったことをここで書けて満足した…

あとは朗読だから普通の演劇と違って、演者の衣装とか舞台とか、演者の美醜とかは問われない、なんてメリットもあり。
笑う朗読ではそこを笑いのひとネタにしていたり。
まだまだ書きたいけどさすがに長いのでここで終わります。
本当に楽しいお芝居を見せて頂きました。役者さんスタッフの皆さんありがとうございました<(_ _)>
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Author:堀場亮佑
バラエティ系にめっぽう強いフリーナレーター。堀場亮佑です。
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